問04の正解：3
問04 Ａ所有の甲土地を占有しているＢによる権利の時効取得に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
１ Ｂが父から甲土地についての賃借権を相続により承継して賃料を払い続けている場合であっても、相続から20年間甲土地を占有したときは、Ｂは、時効によって甲土地の所有権を取得することができる。
解説：×・・・二十年間、所有の意思をもって、平穏に、かつ、公然と他人の物を占有した者は、その所有権を取得する。（民法162条1項より）しかしながら、今回のケース賃借権であるので、占有ではない。
２ Ｂの父が11年間所有の意思をもって平穏かつ公然に甲土地を占有した後、Ｂが相続によりその占有を承継し、引き続き９年間所有の意思をもって平穏かつ公然に占有していても、Ｂは、時効によって甲土地の所有権を取得することはできない。
解説：×・・・占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。（民法187条1項より）
３ Ａから甲土地を買い受けたＣが所有権の移転登記を備えた後に、Ｂについて甲土地所有権の取得時効が完成した場合、Ｂは、Ｃに対し、登記がなくても甲土地の所有者であることを主張することができる。
解説：○・・・時効により取得した不動産を取得したものは、時効完成までに間に所有権の移転登記したものに、登記がなくても甲土地の所有者であることを主張することができる。
４ 甲土地が農地である場合、ＢがＡと甲土地につき賃貸借契約を締結して20年以上にわたって賃料を支払って継続的に耕作していても、農地法の許可がなければ、Ｂは、時効によって甲土地の賃借権を取得することはできない。
解説：×・・・賃借の意表がある以上、農地法の許可がなくても、賃借権を取得することができます。