問09の正解:1
問09 宅地建物取引業者であるAが、自らが所有している甲土地を宅地建物取引業者でないBに売却した場合のAの責任に関する次の記述のうち、民法及び宅地建物取引業法の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
1 売買契約で、Aが一切の瑕疵担責任を負わない旨を合意したとしても、Aは甲土地の引渡しの日から2年間は、瑕疵担保責任を負わなければならない。
解説:×・・・宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地又は建物の売買契約において、その目的物の瑕疵を担保すべき責任に関し、民法第五百七十条(売主の瑕疵担保責任) において準用する同法第五百六十六条第三項(地上権等がある場合等における売主の担保責任) に規定する期間についてその目的物の引渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除き、同条 に規定するものより買主に不利となる特約をしてはならない。 (宅地建物取引業法40条1項より)つまり「瑕疵担保責任を負わない」の特約は無効になり、特約のない契約になり、民法の「契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。 (民法566条の3項より)」が適用されます。
2 甲土地に設定されている抵当権が実行されてBが所有権を失った場合、Bが甲土地に抵当権が設定されていることを知っていたとしても、BはAB間の売買契約を解除することができる。
解説:○・・・売買の目的である不動産について存した先取特権又は抵当権の行使により買主がその所有権を失ったときは、買主は、契約の解除をすることができる。 (民法567条1項より)買主が抵当権が設定されていることを知っていた場合でも適用されます。
3 Bが瑕疵担保責任を追及する場合には、瑕疵の存在を知った時から1年以内にAの瑕疵担保責任を追及する意思を裁判外で明確に告げていればよく、1年以内に訴訟を提起して瑕疵担保責任を追及するまでの必要はない。
解説:○・・・瑕疵担保責任を追及する場合には、瑕疵の存在を知った時から1年以内に裁判外にその意思を告げればよい。
4 売買契約で、Aは甲土地の引渡しの日から2年間だけ瑕疵担保責任を負う旨を合意したとしても、Aが知っていたのにBに告げなかった瑕疵については、瑕疵担責任に基づく損害賠償請求権が時効で消滅するまで、Bは当該損害賠償を請求できる。
解説:○・・・選択肢1の宅地建物取引業法40条1項より、瑕疵担保責任を負うのは引き渡しの日から2年以上とする特約は、有効であるが、売主が瑕疵の事実を知っている場合は、その瑕疵については、責任を負う必要があります。